僕の父親は「自動車整備暦50年の頑固一徹おやじ」です。
やはり昔の自動車整備士は、「整備士」というより「修理屋」といったほうがぴったりです。
エンジンはもちろん、ミッション、デフ、ラジエター、オルタネーター、セルモータ、車の構成部品はすべて、故障したら修理するのが当たり前で、
安易に部品をアッセンブリー交換したりしません。
しかし、最近の整備工場では、パワステポンプからオイル漏れがあれば、ポンプ自体をそっくり交換してしまう事がほとんどですし、
ラジエターが故障すれば、ラジエター屋に修理依頼するか、新品部品に交換してしまうかです。
現在の自動車整備の仕事は、部品の交換が出来れば、何とかなってしまったりします。
昔ならエンジンの調子を見ながら、アイドリングを調整したり、点火タイミングを調整したりしていました。
しかし最近の車の場合、アイドリングは自動的に調整されますし、点火タイミングも、デスビに封印が貼ってあり、「さわってくれるな!」となっています。
点火プラグなどは、10万キロまでメンテナンスフリーで、ギャップの調整なんてする必要もありません。
この間行った自動車整備主任の講習(定期的に新しい車や、整備技術の勉強会みたいなもの)では、CVT(下記参照)について教えてもらいましたが、CVTミッションは殆ど非分解で、内部の部品は一般の工場には供給されない様で、まったく整備士の出る幕はありません!
今後どんどんこの様な部品が増えて、
整備士の腕の見せ所はますます減っていってしまうでしょう。
ですから僕は、なるべく故障した部品は修理する様にしています。
故障した部品を修理すればゴミも減りますし、これからの時代は、このあたりの事が、大切なのではないでしょうか?
やはり僕は、「整備士」ではなく、「修理屋」を目指したいと思います。
CVTとは...
ニッサンのマーチなんかに採用されている、無断変速のオートマチックミッションで、前後のプーリーに金属製のVベルトが掛かっていて、プーリーの幅を変えて、ギヤ比を無断階に変速するシステムです。スクーターに付いているVベルトの変速システムと同じような仕組です。