- 不具合の症状
- エンジンオーバーヒートによりサブタンクに水が吹き返す。
- 短距離走行であれば、オーバーヒートしない。。
- 不具合箇所の予想
- サーモスタットが開かないか、ウォーターポンプのトラブル、ラジエターの詰まり。
最悪はヘッドガスケットが吹いている可能性もありえる!
引き取りに行った帰りに試乗!
乗った感じはエンジンの調子もよく問題ない。
水温の上がり方も正常で、メーター半分くらいに落ち着いた。
そのまま水温上昇もなく、無事到着!
そのまま、かけておいたが、オーバーヒートしそうにない。
エンジンをかけたまま、ラジエターキャップを緩めてみた。
通常は圧力がかかっているので、「プシュ!」となるはずが、ならなかった!
キャップを空けてみると、ほとんど水が流れているように見えない。
やはり「サーモスタット」が開いてないか?
感じとしては、ヘッドガスケットは吹いてないようだ。
サーモスタットを交換することにした。
新品のサーモスタットと、古いサーモスタットを、混浴させて我慢比べさせてみた。
古いサーモスタットのほうが若干早く開いていたが、それほど問題はなさそう!
サーモスタットが開いているのに、水が循環してないって事は、
ひょっとしてウォーターポンプの羽が飛んでいるとか!
以前もウォーターポンプの羽が見事になくなっているやつがありました。
でもウォーターポンプの前に、ラジエターをチェックしてみます。
ラジエターのキャップを外して中を見るとかなり汚い!
こりゃ、詰まってしまっているかもね。
分解して中を見てみる事に・・・・・・・
アッパータンクを外してみたら、
・・・・お見事!
ほとんどの水路がつまってます。
詰まってなかったのは、
僅か9本!
全部で何本あるんだ?
1・2・3・4・・・・・
途中で数えんのやめたけど、70本以上はありました。
こんだけ詰まってしまったら、水の流れが極端に遅いのでオーバ−ヒートするわなあ!
クーラントさえ交換していればこんなにならないんですがね。・・
こんだけ詰まったら、普通は交換でしょうが、新品交換の予算はなさそうなので、
自家オーバーホールすることにしました。
通常は修理工場とはいえ、ラジエターの修理はラジエター屋に依頼するのですが、アッパータンク交換くらいなら比較的簡単なので専門業者に依頼するまでもなく、自分で出来ます。
ラジエターの分解の仕方を少し説明します。
ステアリングギヤボックスなどの分解組み立ては、そんな簡単ではありませんが、 ラジエターの場合、構成部品が「アッパータンク」「ラジエターコア」「ロアタンク」だけなので、なにも難しい知識や、特別な工具も必要ありません。
マイナスドライバーとプライヤーと、ちょっとの工夫で、セルフオーバーホールが可能です。
(ただし、タンクが銅製の場合で、ロウづけが必要な場合は素人には難しいでしょう。)
アッパータンクは、ドライバーでつめを起こしてやれば外れます。
ロアタンクも外せば万全ですが、アッパータンク側が圧倒的にいたみやすいので、特に問題なければロアタンクは外さなくても良いと思います。
ロアタンク側から水を流しながら、水路を一本づつ掃除して、開通させます。
掃除道具はオイルステッキを使ってます。
全部の水路が開通しました!
掃除できたら、新品のパッキンに交換してアッパータンクを付ければ完了です。
しかしここで問題が!
アッパータンクが、「メーカーにも在庫がなく、納期が2週間かかる。」との事!
実は、ラジエターの分解組み立ては簡単なのですが、一番の問題は、「部品が出るか。」と言う事なのです。
メーカーによっては、ラジエターはアッセンブリーとして部品設定されていて、アッパータンクなどの部品を個別に注文出来ないようになっています。
殆どのメーカーがラジエターは、アッセンブリーでないと注文出来ませんが、トヨタの場合部品が出ます。
しかし二週間は待っていられないぞ!
ここまでやって、今更ラジエター屋に依頼するとなると、ラジエター屋はアッパータンクをくっ付けるだけの楽な仕事になってしまうではないか!
かといって、ラジエター屋がアッパータンクだけ売ってくれるはずもないぞ!
しょうがないので、アッパータンクは再利用する事にしました。もともとタンクが割れている訳ではないので、再利用しても漏れる事はないだろう!
ラジエターの分解は簡単と説明しましたが、一点だけ注意があります。
アッパータンクを取りつける際にツメを折り曲げてかしめますが、アッパータンクを十分にゴムパッキンに圧着しながらツメを折り曲げます。
圧着が十分でないと、水漏れする可能性があります。
それにツメを折り曲げる際に、タンクを割ってしまうかもしれません。一点に力をかけるのは厳禁です!
私のやった工夫です。
梱包用のPPバンドでグルッと締め上げて、さらにあいだに木片を挟んで、締め付けテンションを調整しながら、少しずつツメを折り曲げていきます。
組みあがったら黒で塗装すればリンク品のようなできばえになります。
これで完成!
走行テストするまでもなく、オーバーヒートする事はないでしょう!!!